皆さんは「宅建主任者」という資格をご存知でしょうか?
実は私が資格を取得した頃は、今の「宅地建物取引士」ではなく、「宅地建物取引主任者」という名前でした。
2015年に法律が改正され、主任者から宅建士へと名称が変更されました。
しかし、ただ名前が変わっただけなのでしょうか?
私はそうは思いません。
国はなぜわざわざ「主任者」を「士業」にしたのか。
そして今、宅建士は本当に士業として活動できているのか。
今日はそんなお話をしていきたいと思います。
宅建主任者から宅建士になった背景
旧制度
宅地建物取引主任者
↓
主な役割
- 重要事項説明
- 重要事項説明書への記名
- 契約書への記名
いわば
「取引の説明担当者」
という位置付けでした。
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2015年法改正
宅地建物取引士へ変更
国土交通省は改正理由として
- 専門知識の高度化
- 消費者保護の強化
- 不動産取引の複雑化
を挙げています。
つまり「説明する人」から
「消費者を守る専門家」へ役割を引き上げたのです。
士業とは何か?
士業とは
- 弁護士
- 司法書士
- 行政書士
- 税理士
など専門知識を使って
依頼者や社会の利益を守る専門家です。
共通点は
専門知識を持つ
↓
法令遵守
↓
依頼者保護
↓
社会的責任を負う
つまり士業とは
「知識を売る仕事ではない」
のです。
士業の本質は
依頼者が損をしないようにすること
です。
時には依頼者にとって不都合な真実も伝える。
時には契約をやめるよう助言する。
時には利益よりも安全を優先する。
それが士業です。
しかし宅建士には難しい現実があります。
ここが今日一番伝えたいことです。
多くの宅建士は不動産会社の社員です。
会社員として給料をもらっています。
当然ながら会社には
- 売上目標
- ノルマ
- 契約件数
があります。
すると理想としては
お客様第一であるべきなのに
現実には
会社の利益を優先せざるを得ない場面もあります。
本当に中立なのか?
例えば
お客様が購入を迷っている物件。
本来なら
「その物件はやめた方がいい」
と言うべきケースがあるかもしれません。
しかし
契約がなくなれば会社の売上は減る。
ここに宅建士が抱えるジレンマがあります。
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私が思う宅建士の使命
私は宅建主任者として資格を取得し、
その後、宅建士へと制度が変わる過程を見てきました。
だからこそ思います。
国が宅建士に求めたのは
単なる名称変更ではありません。
「取引を成立させる人」ではなく
「消費者を守る人」になってほしい。
そんなメッセージが込められているのではないでしょうか?
エージェントだからこそできること
私は現在、不動産エージェントとして活動しています。
もちろん所属会社はあります。
しかし、会社の利益よりも
お客様にとって本当に良い選択を優先できる環境があります。
だからこそ
契約しないという選択肢も提案できます。
購入しないという判断も尊重できます。
私はそれこそが
宅建士が目指すべき姿だと思っています。
宅建士という資格は、単に重要事項説明書を読むための資格ではありません。
人生で最も高額な買い物とも言われる不動産取引において、
お客様を守るための資格です。
もしこれから宅建を目指す方がいるなら、
ぜひ資格取得だけを目標にするのではなく、
「誰のために知識を使うのか」
を考えていただきたいと思います。
主任者から宅建士へ。
その名前の変化には、消費者を守る専門家になってほしいという社会からの期待が込められているのです。